ちょっと扱いが難しい整備箇所

 人工林の除間伐というと、比較的目的がハッキリとしているのですが、その範疇にないような整備箇所もあります。去年から引き続きの作業として手入れをしているこの整備箇所は水が集まる「谷間」で、過去にその水が流れた跡なのか、地面に所々溝が走ってるような場所です。主にクワ、アブラチャンなどの低木に加え、ミズキやサクラといった中高木も混じっています。しかしこれだけならごく当たり前の植生といえるのですが、ここの場合夏季には低木を覆うように蔓性植物が繁茂し、暗く荒れた状態にしか見えませんでした。そこで蔓植物が枯れる冬の時期に手入れを進めようと、現在作業を進めています。
 しかし場所ゆえ、手を入れる意味があるかどうかはその判断が難しいところ。それでも放置してしまうと、蔓植物が山側へ上ってしまい、他の箇所へ悪影響を与えかねません。少々厄介な作業になりますが覆っている蔓を引きずり下ろし、アブラチャンなどは伐採や「もやかき」をして密度調整をします。













 ここで珍しいものが見つかりました。山繭(ヤママユ)です。きれいな緑色の繭ですね。普通のカイコの絹糸とは違い、優れた性質を持っているいるそうです。成虫のヤママユガも美しいので実物を見てみたいものです。