暑い盛りの下刈り三昧

 林業での下刈り(下草刈り)とは、造林木の生長の妨げになる草や灌木などを刈り取ること。しかしここでは景観林としての整備が比較的多いので、林業本来の下刈りとはちょっと違った感じの作業になります。
 
 以前ひとの手が入ったものの、しばらく放置された平地などはアズマネザサが繁茂した状態だったのですが、数年掛けて気持ちのいい「原っぱ空間」になりました。ただ何もしないでいると、どんどん草丈が高くなるので頻繁に草刈りをしなくてはなりません。














 
 程よく伐採をし樹木のボリュームを調整をしたエリアは、フットパスを作らず自由に歩き回ってもらえるよう、ここでも下草や灌木の適度な調整をしています。しかし以前に整備し集積したシノダケや伐根が若干残っているので、これらの除去をしなくてはなりませんが、いまは程よく草に埋もれているので目立ちません。秋以降の仕事に取っておきます(笑)














 
 ちょっと厄介なのが斜面地の下刈りで、足場が悪いゆえ刈り払い機での作業は気を使います。今回手を付けた場所は林道脇の少し切り立った部分なので日当たりもよく、それこそいろんな種類が伸び放題な状態。場所が林道を歩いてくると目立つ場所だけに、あまり無計画に処理できない所。整備計画案として斜面保持と植栽棚を兼ねたものを作ろうかなと思っています。

 














 そう、ちょっと面倒なんですが何でもかんでも刈払ってしまうことはせず、サンショウやタラノキなどあれば残しておくようにしています。楽しみは取っておきたいですしね。

気がつけばすっかり真夏…

 すっかりブログの更新が滞っておりました。それまでの間に起こった震災や原発事故といった状況、またその余波がまだまだ収束されていない状態であることを受け止めつつも、しかし森林での活動は粛々と続けています。
 また活動毎に簡単なレポートをアップしていきますので、よろしくお願いします。

竹林整備とゴミ問題

 引き続き間伐予定地に侵入しタケの伐採作業を行った。間伐対象地となる林縁部がはっきり分かる場所を目標に、延べ2日の作業でかなり整理できた。と同時に、処理した材をどのように利用するのか?という問題が……。













 現在のところ、「竹細工」、「竹炭」程度の案しか思いつかず、そのれほど積極的な利用が思いつかない。チッパーシュレッダーを使って粉砕して、土壌改良材として利用したり、堆肥化するほうが現実的な感じもする。素性が良いものは、今後の活動などで利用する竹材として保管することも考えているが、その量はごくわずかだろう。取りに来ていただけるなら、欲しいひとにお分けすることも可能だろう。とにかく、いろいろと考える必要があるようだ。













 ひとまず、今回で竹の伐採は一段落することにするのだが、実はこの竹林はまだ続いており、間伐が必要となることは明らか。加えてこの竹林と横を流れる川には、不法投棄された産廃が数多く確認されている。この処理にかなりの労力を費やすことになるだろう。近いうちに八王子市と相談する予定だが、ボランティア活動だけで何とかできるような規模と現状ではない気がする。行政や地域住民への働きかけなどをしながら、協力していただける人を多く集めなくてはならないだろう。この場合に限っては、森林整備だけで事が済まない状況になってきた。いやはや……である。

ご近所の森林整備活動を視察 

 久しぶりにまとまった雪が降ったこの日、私たちの活動エリアからもそれほど遠くない場所で森林整備作業を行っている、「日本山岳会 高尾の森づくりの会」さんの活動地へ表敬訪問してきました。













 ここは高尾100年の森の約3.5倍の広さもある国有林が活動場所となっていて、主にスギ、ヒノキが植林されています。その活動フィールドで、月1回の定例作業をメインとし、広葉樹を植樹して混交林化を進めたり、また間伐を進めていくことで巨木林としていくことを目標として整備を行っています。













 生憎の気象条件にもかかわず、参加者はなんと80人近く! その参加人数には正直びっくりです。月に1回の定例作業でこれだけ人が集まるのはどうしてか?そのノウハウをしっかり勉強させていただいて、私たちの「高尾100年の森」にも多くの人が関わっていただけるようにしていきたいと思います。

スギ林のなかの竹

 先日現調を行ったスギ林の一部は竹林と隣接していて、その竹が一部侵食しています。恐らく作業が始まれば、竹は間伐作業時に伐採作業員によって処理されることになるでしょう。しかしそれはちょっともったいないで、作業が始まる前に整理してしまうことに。













 手入れがされていない状態が長く続いていたので、それほど太いものは無く、曲がったものがほとんどといった具合。切ったタケはとりあえず真っ直ぐな部分が長く採れるように造材し、3m程度の長さで処理しています。これといった具体的な利用方法はまだ決まっていませんが、今後の活動に有効利用していくつもりです。













 余談ですが、ここで採れるタケノコは結構美味しいとのこと。春の楽しみがまたひとつ増えました。

間伐作業をお願いしました

 この日病院裏の人工林で、間伐作業をお願いする森林組合の職員によって現地調査が行われました。その内容は主に作業する範囲を決め、外周となる木にテープを巻いていきます。そして後日、このテープを目印として測量が行われ、作業面積が求められます。それほど広い面積ではないので、作業自体は小1時間程度で終わりました。これでひとまず、本契約を結ぶまでの準備が整いましたが、本作業まではもう少し時間が掛かりそうです。













 午後からは前回と同じ場所で、除伐作業の続きを行いました。処理すれども、すれども絡まる蔓植物との持久戦なのですが、それでも明らかにその効果は出てきているようです。春の新緑の頃、この場所がどのようになるか楽しみでもあります。それまでは根気よく作業を進めていきます。

ちょっと扱いが難しい整備箇所

 人工林の除間伐というと、比較的目的がハッキリとしているのですが、その範疇にないような整備箇所もあります。去年から引き続きの作業として手入れをしているこの整備箇所は水が集まる「谷間」で、過去にその水が流れた跡なのか、地面に所々溝が走ってるような場所です。主にクワ、アブラチャンなどの低木に加え、ミズキやサクラといった中高木も混じっています。しかしこれだけならごく当たり前の植生といえるのですが、ここの場合夏季には低木を覆うように蔓性植物が繁茂し、暗く荒れた状態にしか見えませんでした。そこで蔓植物が枯れる冬の時期に手入れを進めようと、現在作業を進めています。
 しかし場所ゆえ、手を入れる意味があるかどうかはその判断が難しいところ。それでも放置してしまうと、蔓植物が山側へ上ってしまい、他の箇所へ悪影響を与えかねません。少々厄介な作業になりますが覆っている蔓を引きずり下ろし、アブラチャンなどは伐採や「もやかき」をして密度調整をします。













 ここで珍しいものが見つかりました。山繭(ヤママユ)です。きれいな緑色の繭ですね。普通のカイコの絹糸とは違い、優れた性質を持っているいるそうです。成虫のヤママユガも美しいので実物を見てみたいものです。